すずめ

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こんばんはウルカ。

 

僕は電車の先頭車両に乗るのが、子供の頃から大好きなんだ。

ほら、他の車両の乗客よりも真っ先に新しい場所へ進んでいるってことになるでしょ。

僕はいつも先頭車両の一番前の隅っこの壁に張り付くように立つよ。

必ず後ろ向きにね。

ほら、前を向いてしまったら、僕よりも先に運転士さんがいるのが悔しくなる。

それに、線路脇やホームから電車に飛び込んでくる無垢な犬や、哀しい人間と目が合うのが怖いんだ。

君も、僕とおんなじだろ?だから先頭車両の先っぽで後ろ向きに壁に張り付いているんでしょ?

でも、そこは僕の場所なんだ。

悪いけど、どいてくれるかい?

 

40歳前後だろうか。

クリーム色のダウンコートを着た女はそう言うと、バッグにつけた小さなプレートを俺に見せた。

プレートには手書きで「すずめ」と書いてある。

それからクリーム色のダウンコートを着た女は、俺の後ろの壁を指さす。

振り返ると、クリーム色をした壁に小さく「すずめ優先壁」と手書きで書いてある。

俺は、これは失礼しましたと壁を譲った。

この世界には、様々な優先される者と、優先される者の居場所が、パズルの様に存在する。

知らず知らずのうちに、そのパズルを土足で踏みにじるような真似はしたくないものだ。

俺は、昔の武士がひと時も刀を離さず神経を張り巡らせていたように、全身の神経という神経の感度をあげた。

すると、2分で疲れたので、電車を降りて行きつけの居酒屋の暖簾をくぐる。

カウンター。

いつもの席が埋まっている。

俺は慌てて自分のバッグに「タンバリン」と書かれたプレートがついていないか探したが、ちっとも見当たらなかった。

次回来た時には、いつものカウンター席に「タンバリン優先席」と書かれていないか探してみようと思う。

生きているうちに一つくらいは、優先パズルをつなげてみたいものだな。

 

 

 

今日のニュース

クリスマスセーターのサンタに「描かれてはいけないもの」が…、ウォルマートが謝罪

宇宙ごみ大作戦。パックマンのように追いかけ回収したら大気圏で燃え尽きるゴミ収集機を打ち上げテスト

出会う人に挨拶をしながら、ひとりバスに揺られて、大好きな公園に行くラブラドールが登場

12月は宿題廃止。アイルランドの小学校、宿題の代わりに「小さな親切」を生徒に奨励

ウルカは鶏ササミを8切れ砂肝を8切れ

茫然モノサシ

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こんばんはウルカ。

 

街を歩いている。

俺の家にいるデュビアの大群よりも遥かに夥しい人間の群れがモシャ〜と蠢いている。

宝くじ売り場に、喫煙スペースに、駅ビルや街路樹やいかがわしいネオンの灯りやバス停や自転車置き場に。

横断歩道のシマシマが、点滅する緑青色の信号の光を反射して、人々を尚更不気味に演出している。

中でも何故か独りで笑いながら横断歩道を走っている奴は、とびきりキモく見えるな。

何が面白いのだろう。

 

毎朝、俺にピンセットで摘まれて輪廻転生するデュビアと、街ゆく人々の生命は、どのくらいに価値が違うのだろう。

街ゆく人々が俺にとってピンセットで摘まめるサイズだった場合、デュビアと同じ生命のサイズ感になるのかな。

人間は物理的なサイズよりも、知能の高さや感情の有無、変な思い入れやオーラ?で生命の価値をはかる傾向にあるけど、なんだか身勝手な物差しだよな。

まあ、他の種族から人間に対しても好き勝手な物差しがあるのだろうからお互い様かね。

そんなことで、茫然と横断歩道を渡っていると、緑青信号が点滅をはじめた。

横を見ると、猛獣のようなスポーツカーがエンジンに火を入れて今にも爆発しそうに膨張をしている。

俺は向こう岸を目指して走り出す。

いつの間にか、何故か、俺は横断歩道を走りながら笑っている。

そのまま笑顔で向こう岸にゴールして、慌てて真顔に戻す。

横断歩道を走ってわたる時、笑っている奴はとびきりキモいけど、自分の生命をわりと大事に楽しんでいる奴ではないかと思う。

そういう事にしておこう。

 

 

 

今日のニュース

「仮死」を経験した服役囚、『終身』刑は終えたはずだと主張し釈放を要求
 そこに水があるから入る。どんな水たまりでも見逃さず入り込む犬

ひと噛みで人間の肉を腐らせる恐怖の毒グモの新種が発見される

美術館の隠し扉から絵画を発見 1997年に館内で盗まれたクリムトの作品か

ウルカは休食

小柄なシロクマ

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こんばんはウルカ。

 

電車に乗っている。

まあ、空いているかな。

皆、忘年会に忙しいのだろう。

オリーブとグレーの中間の色の髪をした異常に痩せた男がスマートフォンに向かって顔を顰めている。

スマートフォンはその顰めっ面に応えるようにブルーとホワイトの中間の色をした光をじんわりと放つ。

その顰めっ面の男のとなりで、小柄な女がトートバッグを弄っている。

何を探しているのか、なかなか見つからないようだ。

どうした、鍵でもなくしたか?

トートバッグの中でせわしなく動いていた小柄な女の手がとまる。

小柄な女がゆっくりとトートバッグから取り出したのは、小さなシロクマのイヤリングだった。

小柄な女は安心したようにイヤリングを摘み上げると、ゆらゆらと揺れているシロクマに何やら話しかけている。

きっとお気に入りのイヤリングなのだろう。

微笑ましいね。

小柄な女が話し終えるとゆらゆらと揺れていたシロクマが大きく口をあける。

それから、小柄な女の人差し指に勢いよく噛みついた。

イヤリングのシロクマは小柄な女を人差し指からパクパクと食べ続け、あっという間に食べ終えた。

となりのスマートフォンを顰めっ面で睨む男はチラリとシロクマに喰われ続ける小柄な女に目をやったが、すぐにまたスマートフォンに視線をもどした。

シロクマは小柄な女と同じくらいの背丈の小柄なシロクマになった。

小柄なシロクマは小柄な女の残したトートバッグを拾い上げると肩にかけた。

新宿駅につくと、顰めっ面の男と小柄なシロクマは腕をくんで降りていった。

俺は、なんだか羨ましくなって、スマートフォンを取り出すと、顰めっ面でシロクマのイヤリングを検索する。

スマートフォンはその顰めっ面に応えるようにブルーとホワイトの中間の色をした光をじんわりと放つ。

ふと気がつくと、俺の隣で小柄な女がトートバッグを弄っている。

俺は、チラリと小柄な女に目をやったが、すぐにまた視線をスマートフォンにもどした。

 

 

 

今日のニュース

おそロシア】”人間のような顔の猫”を目指すブリーダー、無表情のニャンコたちに同情の声が集まる

深夜2時にドアホンを鳴らしたのは……締め出されてしまったワンコ!? カメラ目線で「開けてよ~」

マクドナルドの「あれ」を欲しがりすぎた女性、拳銃で店員を脅して逮捕される

FBIが今、最も危険視している最重要指名手配者10人(アメリカ連邦捜査局

ウルカは休食

真太郎

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こんばんはウルカ。

 

選択機というものがある。

コートの色に迷ったとき

昼食のメニューに迷ったとき

贈る言葉、かける言葉に迷ったとき

進学先、就職先に迷ったとき

T字路や樹海の獣道に迷ったとき

 

など、人生の岐路に立たされた者の心強い味方として昔から人々に親しまれてきた。

近年では医療メーカーの参入により、人体に埋め込むタイプの選択機が人気を博している。

 

先月、業界最大手のサニーが満を持して発売した選択機は、高級ブランドのメルメスとのコラボということでも話題となっている。

このラグジュアリーな選択機をなんとしても手に入れようと、富裕層のみならず、国内外の転売屋、キャバ嬢、学生、サラリーマン、サラリーウーマン、マイルドヤンキー、タクシードライバー、占い師、コメディアン、ビキニ姿て洗車する仕事の人、などが、ショッピング・ローンを組んでまでも我先にと購入している。

核心をついたメルメスのデザインと、これまで培ってきたサニーの高い技術力が見事に融合されており、今年のベスト・バイ・選択機といって良いだろう。

 

オフィス街。

昼時のパスタ屋は行列ができている。

ペスカトーレのランチセットが人気だ。

行列に並ぶサラリーウーマンのふたり。

「ねえ、ユウコ、欲しいブランドバッグがあるんだけどさあ、買っちゃおうかなぁ」

「ええ?ちょっメグミ、お金使い過ぎじゃない?先月も高い買物したって言ってたじゃん」

「うん、でも、真太郎も大丈夫っていってくれてるし」

「ええっ?ちょっと、真太郎ってだれよ?しばらく会わないうちに彼氏できたの?きいてなーい!!会社の人?!いいなーうちの会社ろくな男がいないのよ、メグミの会社カッコいい人多そうだもんなー」

「あはは、ユウコ、違うの、真太郎は初恋の人の名前で、今はわたしの選択機の呼び名なの」

「ヘイ真太郎、ブランドバッグ、メルメスとルイ・ギトン、どっちがいいかな?」

そう言うと、メグミは白目を剥いて小刻みに震えはじめる。

しばらくしてメグミの額が割れて、ぽっかりと5センチ四方ほどの穴があく。

その穴から、メルメスのブランド服を着た鳩が勢いよく飛び出す。

「クルックゥ、ゼッタイ、メルメス!ゼッタイ、メルメス!、ゼッタイ、カッタホウガ、シアワセニナルヨ!ベストチョイスハ、メルメス!」

真太郎は甲高い声でそう叫ぶと、メグミの額の穴に引っ込んだ。

「わー!!かわいい!!!いいなー!」

 

 

今日のニュース

ハプスブルグ家の呪い。17世紀の王家に見られる独特な顎は近親交配の影響が大きいと科学者(スペイン研究)

IKEAが「宇宙家具」を開発中。火星での居住空間をデザイン

ナイキがヒジャブの水着を販売へ、イスラム教徒の女性がヒジャブを被る理由とは

今日は2019年最後の満月、コールドムーン。空を見上げて今年を生き抜いた自分をほめてあげよう

ウルカはデュビアを4匹、地獄ヘドロを10切れ

エキスパート・ロング

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こんにちはウルカ。

 

クレジットカードを入れてください。

薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱には、クレジットカード挿入口と暗証番号を入力するためのプッシュボタン、クレジットカードを入れてくださいと書かれたガムテープが貼り付けてある。

私は飛行機と電車とバスとタクシーを乗り継ぎ、さらに車の入れない山道を8時間歩いて、やっとのことでこの薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱にたどり着いた。

断崖絶壁の頂点にたつその箱の前で私は、ポケットからクレジットカードを取り出す。

それからその箱のクレジットカード挿入口へ入れ、暗証番号を入力する。

ひと息おいて、確定と書かれたボタンを押す。

ギリギリと低い音がなる。

しばらくすると細断された私のクレジットカードがその箱の底面から下に置かれた屑籠へ落ちた。

これはそのクレジットカードが限度額一杯まで使用された事を示している。

私はもう一枚、新たなクレジットカードをポケットから取り出し、挿入口へ入れ、暗証番号と確定ボタンを押す。

先程と同じようにギリギリと細断されたクレジットカードが屑籠へ落ちる。

私はこの行動を5回繰り返した。

つまり5枚のクレジットカードが限度額を使いきり細断されて屑籠へ落ちたことになる。

私のもつクレジットカードはこれで全部だった。

あっという間だな。

私はこれまで、クレジットカードの限度額を上げるためだけに生きてきた。

5枚全てが一部の人間のみ手にすることができるとされるブラックパールプラチナエグゼクティブゴールドウランマッシヴ・カードである。

限度額は数千億とも数兆とも言われている。

全てはこの日の為に。

貯金は全て貧しい国へ寄付した。

世界トップの特大企業のナンバーツーにまでのぼりつめたポジションも先月辞職した。

明日から私はブラックパールプラチナエグゼクティブゴールドウランマッシヴ・カード5枚の限度額分の壮大な返済におわれる事になる。

先週契約した喫茶店のバイトでは、毎月合計3万円の返済がいい所だろう。

私は各クレジットカード会社の毎月の返済額を6千円に設定した。

私が購入したもの、生命維持保証エキスパートパックとは、私という存在の維持保証である。

世界中のクレジットカード会社と保険会社が提携して始めたこのサービスは、カード利用者が利用した金額を全て返済するまで、そのカード利用者の存在と健康を維持保証するというものである。

各方面のテクノロジーの粋を集め、事故、事件、病気、老いや寿命など、全てのものからカード利用者を守る。

230年前に始まったこのサービスの利用者の中には、現在272歳でバリバリのコンビニアルバイト店員も存在する。

私はのんびり3000年くらいは生きる予定である。

 

カラカラと音がして、薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱から領収書の紙切れが出てきた。

生命維持保証エキスパートパック購入完了である。

これで私は当面の間、どんな事をしても死なない。

例えばこの断崖絶壁から飛び降りたとしても、救命飛行体が光の速さで駆けつけて私を救うだろう。

私はとうとう不死身の身体を手にいれたのだ。

私は声をだして笑う。

それから勢いよく断崖絶壁から飛び降りた。

私は千数百メートルを落下する。

そろそろ救命飛行体がやって来ても良いころだ。

私は落下を続けている。

 

そのころ、カラカラと音がして薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱からもう一枚の紙切れが発行される。

この度は生命維持保証エキスパートパックのご購入誠に有難うございます。

サービスの開始はこれより一週間後となります。

それでは有意義なロング・ライフをご堪能ください。

 

 

 

今日のニュース

海外では意外なほど多くの医師がプラセボ(偽薬)を処方しているという現実

農場に埋まっていた巨大なバイキングの船を発見、船葬に使用されていた可能性(ノルウェー

刺さった釣り針を取ってあげたら、こんなに仲良しになった サメとダイバーの絆にほっこり

実は少しずつ変化していた!スクロールバーのデザインの変化(1981年~2015年)
 【芸術とは…】バナナを壁に貼った現代アート、作家が食べてしまう。しかも1300万円で売約済み

ウルカはデュビアを4匹

バタバタ

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こんばんはウルカ。

 

年の瀬だね!

年末になると何故こうもバタバタとするのだろう。

尋常ではないほどのマイペースな社会人として有名な俺を以ってしても、やっぱりバタバタしてしまっている。

メールは登っても登っても増える永遠の階段のように未読が積み重なり、電話はドンキ・ホーテのテーマソングみたいに鳴りっぱなし。

会社内をふらつけば「平山さん、ちょっといいですか?」「平山さん、急で申し訳ないんだけど」「平山さん、ごめん、もう一件いそぎの案件が入った!」「平山さん、もうだめだ…」とテンパった皆様から声をかけられる。

もうね、いやなの。

俺はね、のんびりと過ごしたいのよ。

「平山さん、、」

なに!?

これ以上、仕事入れられても俺はやらんぞ!

年の瀬マザーファッカーズってバンドを組もうって話ならのってもいいぜ!?あああ!?

「いや、昼飯、いかない?」

お、おお、それはいこう。

まあ、もう夜だけどな!ははは!

「いやね、この近くに面白い店、みつけたのよ」

おお、いいね、いこいこ。こんな所にいたら年の瀬に殺されそうだよ。

俺を時季外れの昼食に誘ってくれたポチョムキン向井は、グルメ将軍という異名を持ち、一食、一食を魂を削るかの如く吟味し、嗜む。

その姿勢は俺が最も尊敬する人間のひとりとして俺の心の中で燦然と輝いている。

まあ、ちょっとハゲ始めてるから輝いているだけかも知れんが。

若くして髪を失う事など、彼はちっとも気にしていないようだ。

旨いものを食う。

ほかに大事な事などあるか?

人生で食事ができる回数は限られている。

病気や事故にでも遭ったなら、明日にも旨さを感じる事が出来なくなっていまうかもしれない。

一食、一食を大切にしろ。

生きることとは、食い物を旨いと思える自分に感謝することだ。

と言っていたかどうかは忘れたが、それくらいの気迫で旨いメシに誘ってくれる、ポチョムキン向井は、俺のオアシスであり、ライフ・セーバーである。

明日はどっちだ!?とオフィス・ビルを勢いよく飛び出した俺たちの前に立ちはだかった全裸、いや、透明ビニルをまとった男の話をこれからするには夜が更けすぎたし、ポチョムキン向井が見つけてきた土瓶蒸し専門店が旨すぎるから、今夜はこれくらいにしておこう。

別にバタバタしているわけではない。

バタバタは。

 

 

 

 

今日のニュース

人間の子供の頭蓋骨で作られたヘルメットをかぶった状態で埋葬されていた古代の幼児(エクアドル

史上初のキメラ、サルの細胞を宿した2匹のブタが誕生。しかしその1週間後に死亡

無賃乗車がバレた女が胸をさらけ出し駅員に母乳を噴射する珍事件発生

フィンランドで最年少34歳の女性首相誕生、連立政権の5党首はすべて女性

植物はストレスを感じると超音波の悲鳴を上げている(イスラエル研究)
ウルカは休食

ずぶ寒

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こんばんはウルカ。

 

冬だね。

毎年のことだけど、冬の街でのベストな服装がわからん。

職場や地下街は暖かく、混雑している電車のなかは上着を脱ぐ余裕もなく暑くて臭え。でも外は寒い。

居酒屋の出入り口付近の席なんてのは、とうとう自分がいま寒いのか暑いのかすらわからなくなる事があるよ。

温度さんよ、もう少しわかりやすくなってくれないか。

例えば雨なんてのは水の粒が空から降ってくるわけよ。

一目瞭然だよ。

濡れたくなければ傘をさす。

たまにずぶ濡れになって感傷にひたるのもそれはそれで良いだろう。

 

空から寒という字が降ってくる。

凍えたくなければ、鏡をさす。

鏡で反転された寒という文字は意味をなさないからな。

たまにずぶ寒、要するに寒という文字に埋め尽くされて、感傷にふるえるのもそれはそれで良いだろう。

でも、寒の字が降る日は街中鏡だらけで目がチカチカしちゃいそうだな。

 

 

今日のニュース

コールドスリープか?6時間の心肺停止後、奇跡的に生き返った女性(スペイン)
睡眠時に見る「悪夢」は現実の恐怖に立ち向かう手助けをしてくれている

動物?非動物?判別不明の6億900万年前の多細胞生物「Caveasphaera」は生命の鍵を握る 

ウルカは休食

牡蠣鍋にダイソン

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こんばんはウルカ。

 

今昼は、ローラー・スケートをかついで公園へ行ってきたよ。

俺が最近愛用しているローラー・スケートは、ローラーが縦に四つ並んでいるような平成的仕様ではなくて、自動車のように四角に一つずつ配置されている昭和的仕様のやつだ。

白と変なグリーンと紫の配色でなかなかイカしている。

公園内にあるインライン・スケート場につく。

そこは真夏のビーチのように身動きが取れないほどの混雑ぶりで、皆はただ茫然と水に浸かる海水浴客のように、飛ぶことを忘れた鳥のように、本来のスベるという目的を完全に見失って、様々なタイプのローラーの付いた靴や板の上に乗ってその場に佇み、あんぐりと大口をあけておる。

これが令和のやり方かと俺もあんぐりと口をあけてみたが、なにをしとんねん。ということで、さっさと引きあげ、カレー酢ライスという変な昼食を食べた。カレーに酢飯とはおかしな時代になったものだ。そういえば、鍋に隠し味でバターをいれると旨いと聞いた事があるぞ。よし、今夜は牡蠣鍋にしよう。

そんなことはさておき、生鶏肉って大変危険らしいな。ギラン・バレー症候群とかいう手足どころか全身が動かなくなる恐ろしいウィルスをもっているそうだ。このウィルスは酸素に触れることで死ぬらしい。「お客さん、これは新鮮ですぜ〜!」って出される切りたての若鶏の刺身とかが一番危ねえって事だな。ウルカは毎回生鶏肉をバクバク食っているけど大丈夫なのかね…

そんな考え事をしながら鍋食材を買いにスーパーマーケットへ行くつもりが、家電屋に入り、ダイソンの小ちゃい掃除機を衝動買いした。なんでやねんと今度こそスーパーマーケットへいき、牡蠣鍋の材料を買ってきたよ!鍋楽しみ!

あっ、隠し味のバター買うのわすれた…

 

 

 

 

今日のニュース

ロシアのビッグフット?しかもメス?謎の生き物が走る姿が目撃される

電池革命。従来のリチウムイオン電池の2倍のエネルギー密度を実現する固体電池が開発される

2019年、世界に影響を与えた科学研究論文引用率で、中国がイギリスを追い抜く二酸化炭素を食べて増殖する腸内細菌の開発に成功(イスラエル研究)

インフルエンサーに憧れて…、ある女性が「110万円」の借金に陥った“理由”が切なすぎる

ウルカは休食

自分から見た自分の表は裏向き

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こんにちはウルカ。

 

 

覗き見防止フィルムというものがある。

スマートフォンなどに貼って、正面から画面を見る本人以外は何が映し出されているのか見え難くするものである。

俺は以前電車内でババアに執拗にスマートフォンの画面を覗き込まれて以来、この覗き見防止フィルムを貼っている。

このように他人のプライバシーを覗き見ることを生業としている者へのシールドとしての活躍は勿論のこと、スマートフォンを、プライバシーを、公共の場で発光させる側としてのマナーでもあると思う。

スマートフォンの画面は発光しており、チラチラと動画などを再生していると、いやでも目がいっていまう。

意図せず他人のプライバシーを覗き見してしまったような、もらい事故的罪悪感に苛まれるのは不快だよな。

これは、目のやり場に困るような露出の多い服装の女性と居合わせた時に似ている。

公共の場で卑猥を見せたい、それを見て困ったような殿方の表情をみて興奮するのです!的なちょいワル淑女の方々は別として、純粋にファッションとして楽しんでいるのであれば、見せたい相手、場面以外は、他人に見え難くなる、または、卑猥や残虐が道徳や平穏なビジュアルに変換される、身体、または都市、いや、世界全体に貼り付けるタイプの覗き見防止フィルムがあったら良いのにな。

R15指定とかなくてよくなるし、凶悪犯罪や戦争も全くなくなるよ。

表向きは。

ほら、表向きさえ良ければいいんだろ?

 

 

 

今日のニュース

ロボット犬「aibo」と本物の犬が一緒に住んだらどうなる? 1週間のリアルな記録

都会と田舎、厳しい罰を求める感情は都市部の住民より地方の住民のほうが強い(カナダ研究)

ビキニを着てきたらガソリン無料と聞いて...本格的なビキニ姿の男性が集まってきた(ロシア)

レペゼン地球の最新曲 コラボは乙武さん
 かゆいところに手が届く!防水や通気性に優れた網目状のギプスが新開発

あえて楽しくなることをしない。シリコンバレーの最新トレンド「ドーパミン断食」とは

ウルカはササミを10切れ、砂肝を8切れ

移動中にミュージックを楽しむこと

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こんばんはウルカ。

 

車窓の枠のなかで凍える街が背後へとながれてゆく。

列車の中、ワイヤレス・イヤフォンでミュージックを聴いている。

青緑色の座席の足元からは、暖かな空氣が循環していて、眠気をさそう。

おそらく、世界で13番目くらいに心地の良い場所ではないだろうか。

スマート・フォンのスマートなミュージック・シャッフル機能が、次の曲を再生する。

眠気を吹き飛ばすようなゴキゲン・ダンサブル・ナンバーだ。

私は思わずボリュームを上げる。

身体が自然に動き出す。

私は思わず肩と頭をミュージックに合わせて揺らす。

ふと、通路をはさんだ隣の青緑色の座席に座る老人が足でリズムをとっているのが視界に入る。

彼も何かミュージックを聴いているのだろうか。

移動中にミュージックを楽しむことは流れる景色や空気にメロディやリズムがマッチして、大変有意義である。

通路をはさんだ隣の青緑色の座席に座る老人の足の動きと私の肩と頭の動きが、完全にシンクロする。

ふと、出入口ドア付近に立っている異常に赤い口紅を塗った老婆が両手でダンスの振り付けを踊っているのが視界に入る。

彼女も何かミュージックを聴いているのだろうか。

移動中にミュージックを楽しむことは流れる景色や空気にメロディやリズムがマッチして、大変有意義である。

 出入口ドア付近に立っている異常に赤い口紅を塗った老婆の腕の動きと私の肩と頭の動きが、完全にシンクロする。

まるで私と全く同じミュージックを同時に聴いているようである....

私はハッ!っとして座席から立ち上がり、まわりを見渡す。

やっぱり。

私の車両にいる乗客全員がヘッドフォンやイヤフォンを装着しており、皆一心不乱に私の聴いているミュージックとシンクロするかように各々がおもいおもいの動きでミュージックにノッている。

そう、今日は年に一度の、ラブ・ミュージック・デイである。

仕組みはわからないが(一説では政府が人々の装着しているヘッドフォンやイヤフォンを介し、特殊な電磁波を脳に送り込むことで人々の行動をコントロールしているという噂もある)、ジャンルや曲の好みが同じ者同士が、列車やバスの同一車両、公園、駅の待ち合わせ場など、自然と同じ場所に集められる。

それから全く同じタイミングで、同じ曲が、そこに集まった全員のヘッドフォンやイヤフォンで再生される。

同じミュージックを同じ場所、同じ時間で共有する。

 

皆、気がついているのだろうか。

私は身体をミュージックに合わせて揺らしながら車両をもう一度見渡す。

ほぼ、全身を使って踊っていると言っても過言ではない老カップルと目が合う。

カップルの二人はハッピー・ラブ・ミュージック・デイを表すジェスチャー、指でVサインを作り、口元に当ててVの間から舌をだした。

私もお返しにと指でVサインを作り、口元に当ててVの間から舌をだす。

すると車両にいる全員が指でVサインを作り、口元に当ててVの間から舌をだした。

なんという一体感。

同じミュージックを同じ場所、同じ時間で共有するということは、なんと素晴らしいのだろう。

私は思わずボリュームを上げる。

ヤーレンソーランソーラン ヤレン ソーランソーラン ハイハイ男度胸は五尺のからだぁドンと乗り出せぇ波の上チョイヤサエンエンヤーーーァサーァのドッコイショ ハードッコイショドッコイショ!!

私はなんとも気分が良くなって、列車が目的の駅に着くまでの間、同志たちと一心不乱、ソーラン節に身体を揺らす。

車窓の枠のなかで、凍える街が背後へとながれてゆく。

この車両は今、世界で6番目くらいに心地の良い場所ではないだろうか。

 

 

 

 

 

今日のニュース

動物たちの息づかいが伝わってきそう シュライヒの野生動物フィギュア「ワイルドライフ」シリーズの新作

コップのカップにピッグと書いたスタバのバリスタ、警察側が激怒

地球温暖化で鳥のサイズが縮小か、シカゴで研究報告

カラスは人間の子供と同じくらい自制心があり、目先の欲求を我慢することができる

【錯覚】タイでは横断歩道が浮かんで見える!?交通事故対策にボランティア団体が奮闘

ウルカは休食

マリオネット京子の亡骸

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こんばんはウルカ。

 

 

ワンルームの部屋。

日曜の朝の陽が、遮光のカーテンの隙から洩れている。

殺し屋名鑑2019年度版をみている。

デニーズ片山という殺し屋の紹介に目をとめる。

 

国籍 無記入

年齢 無記入

性別 無記入

身長 無記入

体重 無記入

学歴 無記入

資格 無記入

 

憎い者を残虐無惨に殺します。

完全合法・後腐れ無し・オーガニック・美肌効果あり

 

わたしは早速掲載されている連絡先に電話をする。

「はい、片山です。」

「あの、殺して欲しいんですけど」

「はい、お殺しのご依頼ですね、住所をお知らせください。」

「ああ、殺して欲しい人の住所ですか?」

「いえ、あなたの住所です。」

「え...」

「こちらから殺人器をお送り致しますので、付属の説明書通りに進めていただければ、安全に殺すことができます。ご請求は、お殺しが成立した後、またご連絡いたします。」

「はあ...」

 

片山にわたしの住所を告げた3時間後、部屋のチャイムが鳴った。

お届けもので〜す!

差出人はデニーズ片山となっている。

受け取った段ボール箱を開けると、ヘルメットが入っていた。

美顔機かしら...

以前エステのホームページで同じようなヘルメット型の美顔器を見たことがある。

説明書と書かれた小さな紙が一緒に入っていた。

説明書には、この殺人器を頭にカブる、殺人完了後、殺人器を脱ぎ、箱にしまう。

といった内容が簡単に書かれているだけである。

わたしは説明書通り、殺人器をカブる。

小さな起動音らしきものが聴こえる。

それから、目の前に映像のようなものがうつしだされる。

単色のグリーンの背景。

そこに場末のお笑い芸人、又は昭和の演歌歌手のようなジャケット、黒縁の丸メガネの小太りな男が登場した。

スクリーンに映っているというよりは、実際そこに存在しているようなリアリティがある。

こんにちは、デニーズ片山です。

男はそう名乗ると、早速ですがお殺しに移りましょう。と言った。

わたしはデニーズ片山に言われるまま、殺してほしい人間、職場の主任であるマリオネット京子との憎っくき出来事を思い出す。

すると、単色のグリーンの背景がわたしの憎っくき出来事の記憶に置き換わり、デニーズ片山がわたしの記憶に合成される。

目の前でマリオネット京子が理不尽な説教と耐え難い罵詈雑言をわたしにあびせる。

あまりのリアリティ。

わたしはあの時と同じに、職場の皆のいる前で嘔吐しそうになる。

あの時、嘔吐したわたしを職場の誰もが見て見ぬフリをした。

やだー!きったなーい!

マリオネット京子はわざとらしい悲鳴をあげる。

また一人で自分の吐瀉物を片付けるのか...

だけど、今回はあの時と少し違っていた。

わたしに罵詈雑言をあびせるマリオネット京子の前にデニーズ片山がたちはだかる。

デニーズ片山は身長が異常に低いので、マリオネット京子を高く見上げている。

デニーズ片山はデスクに置いてあった事務用の鋏を手に取ると、マリオネット京子に向ける。

それから、見たこともない手つきで、この世のものとは思えない残虐無惨な殺戮を遂行した。

わたしを含める職場の全員が、同じような悲鳴をあげ、同じように卒倒した。

マリオネット京子の亡骸は、それがマリオネット京子だとわかる手がかりはなにひとつもないくらいに滅茶苦茶だった。

 

どのくらいの時間が経過したのだろうか。

覚醒する。

単色のグリーンの背景。

そこに場末のお笑い芸人、又は昭和の演歌歌手のようなジャケット、黒縁の丸メガネの小太りなデニーズ片山がにこやかに立っている。

「如何でしたか?」

「はい、凄くショキングだったのですが、今はとても清しいような…」

「それはよかった、現在の法律では過去の人間を殺しても罪になる事はありません。あなたが見たものは幻影などではなく事実です。あの時のマリオネット京子さんは、実際にワタクシ、デニーズ片山に惨殺されました。それは、あなたの、マリオネット京子さん自身の、現場にいた全ての者の、記憶に残っています。

誤解している方が多いようですが、現在、過去、未来に同一の人物は存在しません。今のあなたは、1秒前、1秒後のあなたとは別人、ということです。明日、出勤したらマリオネット京子さんも、職場の皆さんも変わりなく存在するでしょう。だけれど、それは1秒前、1秒後の皆とは完全に別人です。同一時間軸に存在する者たちは、ただ、記憶という朧げな共通言語を有しているだけなのです。過去の人間を殺したければ、いつでもワタクシ、デニーズ片山にご連絡下さい。1秒過去から駆けつけますよ。お支払いは電子マネーであれば、5パーセント還元致します。」

 

わたしは、ヘルメット型の殺人器を脱ぐ。

ワンルームの部屋。

しょぼくれたテーブルに立てかけた鏡が、わたしを映している。

こころなしか、肌の調子がよくみえた。

 

 

 

 

今日のニュース

人が触っているものを自分の体で感じ取ってしまう「ミラータッチ共感覚」とは

「雪は降らないから」天気予報のテレビ生放送中にSiriが暴走、気象予報士を否定するハプニング発生

牛にVRゴーグルを装着、癒し効果でうつ病軽減と乳量増加を目指す試み

ウルカはデュビアを3匹、地獄ヘドロを2切れ、鶉卵をひとつ

同乗のタケ

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こんばんはウルカ。

 

忘年会の季節だね!

殆どの会社は訳も分からず、いや、訳を考えようともせず、年末の最重要行事よろしく忘年会を執行することだろう。

昨今、どれほどの人間が会社で催される忘年会や新年会、慰安旅行などを望んでいるのだろうか。

「まあ、これも仕事のうちだから」

と渋々参加している新卒採用の連中をみると、いたたまれない気持ちになるよ。

面倒な職場の人間関係を延長戦的にプライベート時間にまで強要される。

早く帰ってニンテンドーをプレイしたり、何かしらの動画を見ながらゆっくりと風呂にでも浸かりたいに違いない。

 

 

いらっしゃーい!

あら、毎度!

2名さま?

少々お待ちください、

すみませ〜ん、ただいま満席でして....

なんだよー、大将、なんとかなんねーっすか?

すんませ〜ん、ほら、忘年会シーズンでして…

 

忘年会代行屋というのはどうだろう。

酒がまわってくれば、ハゲ上司などは誰が誰だかわかりゃしないだろう。

乾杯から3、40分で、依頼者とさし変わる。

席は埋まりっぱなしでガンガン売り上げものびるわけで、店側も文句ないだろう。

なによりも、嫌々ではなく、楽しそうに酒を呑む忘年会代行屋は見ていて気分が良いはずだ。

依頼者は忘年会に出席したという体裁はたもちつつ、早々にニンテンドーに没入できるというわけだ。

素晴らしいじゃないか!

 

俺は、正面のテーブルに座る職場関係であろう集団の中で、笑顔が引き攣っている若者の1人と目が合う。

俺とチェンジする?

というジェスチャーをすると、引き攣った笑顔のまま、「だ、大丈夫です」と口を動かした。

そうかい、残念だなと一緒に来た同僚のタケを探すと、既に見ず知らずのサラリーマンのテーブルに割り込んで、乾杯をするところだった。

タケは、忘年会同乗屋を既に開業していたのか。

おいタケ、バイトでいいから採用してくれないか?

 

 

 

今日のニュース

「良い席に座りたくてズルした」せいで飛行機が緊急着陸

宇宙はそれ自体が量子物体で、無数にある宇宙と相互に作用している可能性

ウルカはデュビアを1匹

家族の風景

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こんばんはウルカ。

 

 

驟雨が、金属色の冷蔵庫を濡らしている。

空き地に仰向けで横になった金属色の冷蔵庫は、吹っ切れたように清々しい。

雨滴が金属色を乱反射させて、やわらかなグローが冷蔵庫をつつむ。

もう四六時中、低く呻りながら何かを冷やし続けることもないだろう。

隣に転がっている鶯色のソファとは仲良くやっているのだろうか。

 

男が、左足を引き摺りながら歩いている。

男の褪せた色のコートは、雨滴で肩から順に焦げたように黒く変色をはじめている。

空き地をじわりじわりと進む男は、あの冷蔵庫へ向かっているようだ。

男はやっとの事で冷蔵庫に辿り着くと、扉に手を掛ける。

低く呻りながら冷蔵庫の扉を引き開ける。

うすく開かれた扉の隙間から光が洩れる。

男は、一息に扉を開ける。

ただいま

おかえり〜、あら、雨降ってるの?

ああ

え〜、さっきベスの散歩した時は全然降ってなかったのに

ケンちゃん、パパ帰ってきたわよ、一緒にお風呂入っちゃいなさい

パパー!おかえりなさーい!

男は仰向けの冷蔵庫があんぐりと開けた扉から真っ逆さまに落ちていく。

ガシャーンと大きな音がして、わー!あははは!ちょっと〜!飛び込まないでって言ってるでしょ!もう〜あはは!と笑い声が聞こえる。

冷蔵庫の扉が閉まる。

何年も空き地だと思っていたこの空き地は、ちっとも空き地ではなかった。

もしも私が頭から真っ逆さまに家に飛び込んだら、私の家族も笑って迎えてくれるだろうか。

私は、上着のポケットに両手をつっこんで、家のすぐ隣に建つマンションの最上階を目指して階段を登る。

雨は、やんでしまった。

 

ガシャーンと大きな音がする。

わー!あははは!ちょっと〜!どこから帰ってくるのよー!もう〜屋根に穴が空いちゃったじゃない〜!サンタさんのつもり?クリスマスにはまだ早いわよ!?あははは!わははは!パパー!おかえりー!

あはは!

あははは!

さあ、ごはんにしましょう!

 

 

今日のニュース

海外で話題の1日30秒肛門に日光を当てる『肛門日光浴』

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ウルカは休食

平山ダイジェスト

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こんばんはウルカ。

 

もう12月だね。

今年の2月から始めたこのブログもちょうど300記事となったよ。

過去を振り返らないことで有名な俺ではあるが、せっかくなので見返してみよう。

一筆書きのような記事ばかりで、鮮度が落ちると、いや落ちなくても、しょうもないものばかりだな!

まあ、いいや。

自分の中でちょと気に入ったものを選んでみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ、意外に多いな...

 

 

 

 

 

今日のニュース

マクドナルドの“クリスマスラテ”、「写真」と『実物』の落差に思わず

現在地球上に生存する15の大型の鳥

犬?オオカミ?シベリアの永久凍土で発見された1万8000年前の動物の子どもの謎

そうだ、男ならロシアへ行こう。女性の数が男性よりも圧倒的に多いロシア、その理由とは

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ウルカは休食

世が開ける

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こんばんはウルカ。

 

 

夜が明ける。

雄大な山々が脈々とつらなっている。

険しい山頂付近は、雪と氷でラムネ色に凍てついている。

ヒラヤマ山脈。

僕が立っているこの山も標高5000メートル級である。

カトマンジゥの町より入山して7日目、なんとか良い位置にこぎつけた。

前から数えて128番手か。

僕は列に並んでいる。

僕の前に、後ろに、勇敢な者々が、脈々とつらなっている。

勇者、魔法使い、商人、遊び人、おでん屋の親父、賢者、魔人、ダンピール、学生、狩人、ニート、キャバ嬢、歌手、サラリーマン、YouTuber、芸者、レスラーなど。

本日発売のブレインステーションの人気タイトル、ドラゴン・コマンドー16・初回限定パッケージを購入する為に世界中から集った、つらなりし者達である。

初回限定パッケージには、人気キャラのリリーがプリントされたマグカップが付属する。

正直、そんなマグカップなど、どうでも良い。

もっと言えば、ドラゴン・コマンドー16・初回限定パッケージは、ネットで先着注文順に誰でも簡単に購入する事が出来る。

なんなら、僕はブレインステーションを持っていない。

僕を含める此処に集ったつらなりし者達の本当の目的は、「並ぶこと」と言っても過言ではないだろう。

並ぶという、人類特有の行動。

過酷な状況下で、我先にという欲望を抑え、ときに助け、励まし合い、同じ目的に向かって挑み、目的を達成した暁には互いを讃え、涙し、肩を組み歌い、笑いあう。

何とジェントル&ハートフル(J&H)な行動なのだろう!

この実に人間の醍醐味的な行動は、インターネットの出現により、絶滅危惧行動となった。

今では、並ぶという行動といえば、駅やバス停、タクシー乗り場、人気ラーメン屋、開店前のパチンコ店くらいのものである。

その程度で、いにしえより並ぶ事に生きる意味を見出してきた筋金入りのつらなりし者達が満足できるわけもない。

何日も、何ヶ月も、時には何年もかけてつらなってこそ、得られる極上のサティスファクション。

並ぶ環境は、極寒だったり、極暑だったり、魔物やモヒカンのヒャッハーに襲われたりと、過酷であればあるほどに良い。

 

 

夜が明ける。

約束の時刻だ。

僕は最後の食料である板チョコレートの欠片を、すぐ後ろに並んでいる魔法使いにわける。

魔法使いはありがとうと礼をいうと、魔法を使って七面鳥の丸焼きを振舞ってくれた。

七面鳥は幻影だけれど、共に過ごしたこの時間は本物である。

カウントダウンが始まる。

5、4、3、2、1、0!!

世が開ける。

ドラゴン・コマンドー16・初回限定パッケージの発売が始まった。

順番はGPSで管理され、先頭から順にスマートフォンのアプリ上で購入ボタンを押す事が出来る。

僕の前に並ぶ忍者も、後ろに並ぶ魔法使いも、無事購入することが出来たようだ。

僕たちは凍傷まみれの顔で笑い合い、来月のサハラル砂漠で催されるナリキの新作スニーカーのつらなりイベントでの再会を約束する。

無意味を有意味にすることが、僕に対する僕の役目なのかもしれない。

昇ったばかりの陽が、ラムネ色の山々と、つらなりし者達を、脈々と照らした。

 

 

 

今日のニュース

洞窟の壁一面に彫り込まれた無数の魔法陣、その3Dバーチャルマップ映像が公開される

74歳男性の21歳妻、60歳の男性と浮気をして結婚2ヵ月で離婚

貧しい地域の人々が抱える借金を完済し、現金入りの封筒を置くトルコのロビン・フッド。それが誰なのかは誰も知らない

一方南アフリカでは...強盗がお金を奪い取っている最中、そのお金をこっそり盗み取る人物が現れる

ウルカはササミを8切れ、砂肝を8切れ