直立するクジラ

f:id:maxm:20190413112405j:image

おはようウルカ。

お前はケージに入れた俺の手に飛び乗ると、腕を伝い、肩から頭へ登り、床に向かって、跳ぶ。

骨折でもするんじゃないかと心配な俺は、空中でお前を受け止める。

そのまま陽の当たる窓辺へ向かう。

チロチロと舌で俺の存在を確かめると、柔らかな日差しの中で目を細めるお前は、雄なのか?それとも雌なのか?

オオトカゲの性別を見分けるのは難しい。

外見上の違いが殆どないからだ。

更に雄でも卵を産む事があるらしい。

そして、交尾経験のない雌が産んだ卵が孵化する事もあるらしい。

メチャクチャじゃねえか。

もはや神すら欺く所業だな。

お前を見ていると、人間の秩序や差別などちっぽけに感じるよ。

それなのに、支配されて、時には命をかける人もいる。

そんなダイナミックな想像をしている俺をよそに、お前は俺の手の中で、寝た。

 

と見せかけてソファへジャンプ!

 

忘れていたよ神すら欺くお前には、俺を欺くなど赤子の手をひねるくらいに簡単な事だったね。

 

いやいや、赤子の手をひねるという表現は、現代社会においては目くじらを立てられるかもしれない。

まてよ、目くじらのクジラってなんだ?

 

今日のウルカはデュビアを12匹。