蛍をすりこまれる

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おはようウルカ。


スマホを失くしたよ。

何処でどう失くしたのか、最後に使ったのはいつなのか、全く記憶にない。

4年くらい使っていたので、愛着から相当ショックを受けるのかと思いきや、何の刺激もなく、探すのも面倒なので、早々に新しいスマホを買いに出かけた。

薄情だな俺は。


これほど毎日使って、生活の必需品となっているのに、全く思い入れがないものって珍しいよな。

いや、そうでもなくて、結構あるのかな。


部屋着、ボサボサ頭でスマホ屋に到着すると、店員のきちっとした服装と対応に面食らった。

今更上着のボタンを一つ二つ留めたところで何も変わらないだろうが、俺は姿勢を出来るだけ正し、ボタンを留めた。


すみません。

スマホ失くしちゃったんで新しいの買いたいんです。

良すぎず中くらいに良いやつください。

と訳の分からない言い方にも丁寧に対応してくれ、サクサクと契約は進む。

閉店時間が迫っているのか、蛍の光が店内のスピーカーから流れはじめた。

これほど人を落ち着かない気持ちにさせる曲もないな。

ゆったりとした楽曲で、人を落ち着かない気持ちにさせるなど、作者も本意ではないだろう。

これが刷り込み効果ってやつか。


そうこうしているうちに俺は新しいスマホを手に入れた。

今まで使っていたスマホは失くしてしまっているので、連絡先や写真などゼロからのスタートだな。

それはそれで清々しいや、最近流行りのミニマル何ちゃらだ。


心機一転スマホを設定しはじめると、クラウドを介して、失くしたはずのスマホのデータや設定が、新しいスマホにしれっと入っていた。

便利な時代だ。

まさにゴーストインザシェルだね。

ん、このフレーズちょっと前にも使った気がするけど、まあ良いか。

先程までの清々しい気持ちは、クラウドの実力を知らなかった恥ずかしさに変わりつつあるが、まあ良いか。

新しいスマホさんよろしくな。



今日のウルカはデュビアを5匹、ササミを15切れ。