ブルーハーブ以降
おはようウルカ。
ようboss、あの頃、北から陽が昇ることになれていなかった俺たちは、あんた達の存在そのものに戸惑っていたんだ。
本当は、全部なんにもわかっちゃいなかった。
どっちが前なのか後ろなのかも。
振り返らず、ただ先頭をサイの角のように進んだあんた達は、長い冬をこじ開けてしまった。
つまり俺がここで言いたいのは、ブルーハーブ以降という全く新たな概念が、雑草のように深く根付いて青い花をさかせたんだよ。
時代は変わる。
本当の敵はロマノフではなくドアの奥。
水で薄めた品物は誰も受け取らない。
ガラス玉を気休めにこするアマチュアが口を挟む。
靴の底に入りこんだ小石ほどのやつが。
寂しさが棲みつくのは自分の中ではなく人と人の隙間らしいな。
もうポケットが足りないとありがとうが泣いた。
手ぶらでは眠らない。
雨にもまけず。
ブルー独特の体感温度。
よう、火かしてくれ。
どうした、鍵でも失くしたか?
あんたはコンクリートリバーを路上にぶちまけた。
等身大の寒がりの性格を。
今を生きる限りの喜怒哀楽を。
日本語を理解できる生命を。
あんたは光、言葉は影。
どうりで奮い立つような暑さのはずだな。
いつだって追う者は追われる者にまさる。
時代は変わる。
アスファルトよりは脆く柔らかく、レイシストよりはあたたかく。
束の間に輝く。
ただ生きているだけか。
ただ生きていくだけか。
皮膚にかさなる最後の透明な膜。
ほら、だから言っただろう。
毎日は後ろから落ちてゆく橋だ。
生きている意味は生きている日々だって。
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今週のお題「アイドルをつづる」