オツカレサマオヤスミマタアシタ

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おはようウルカ。

 

恐怖症というものがある。 

高所恐怖症

閉所恐怖症

動物恐怖症

海洋恐怖症

対人恐怖症

血液恐怖症

広場恐怖症

風船恐怖症

集合恐怖症

挙げはじめるとキリがないほどの恐怖症が存在する。

私は恐怖症専門の臨床心理士として働いている。

本日はまた新たな症例として、対AI恐怖症患者を診察した。

人間については全く問題ないのだが、対AIとなると途端にパニックに陥るそうだ。

AIに全てを分析され、心の奥底まで見透かされているような心的不安が要因となっているようだ。

飛躍的にAI技術が発達した現代、自動車やドライヤー、スプーンなどの食器に至るまで、殆どの人工物にAIが組み込まれており、AIを避けて生活する事は困難な状況となっている。

今回の症例は、今後爆発的に増加する事が予想される。

まさしく現代病と言ってよいだろう。

私はひととおり診察を終えると、AI恐怖症患者にたいして、難しい症状ではあるが時間をかけてゆっくりと対処していきましょうと告げた。

優しそうな婦人に抱えられた患者、アンティークなデザインの人工知能付きティーポットは、不安そうにヨロシクオネガイシマスと言った。

 

ナースが診療時間の終了を告げる。

私は本日診察した対AI恐怖症患者についての論文が途中書きなのでもう少し働きたいと言ったが、ナースは譲らなかった。

ナースは私のシャットダウンボタンを押すと、お疲れ様でした先生。と部屋の照明を消し、ドアに鍵をかけて帰っていった。

私は薄れる意識のなかで、オツカレサマオヤスミマタアシタと言った。

 

 

 

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