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こんにちはウルカ。

 

新幹線に乗っている。

俺は名古屋駅で天むすと味噌カツのおにぎりとプレミアムモルツの小さい方の缶を購入すると、のぞみという名の新幹線に乗った。

それにしても夏休みの新幹線はいつ乗ってもエグい乗車率だな。

なんとか空席に座ると、凄いスピードで新幹線が移動をはじめた。

斜め前の三席横並びのシートに3つ子だろうか、小さなそっくりの女の子3人と、その母親らしき女性が座っている。

席は三席しかないので、3つ子のうち1人は母親の膝の上に座っている。

3歳くらいだろうか。

新幹線が動き始めて3分ほどで、膝に座っている3つ子のうち1人がぐずりはじめ、みるみるうちに泣き声は絶叫へとかわった。

母親は周りに気をつかったのか、泣き叫ぶ娘を抱き上げると、車両の連結部にあるスペースへと歩いていった。

席に残された3つ子のうち1人は不安になったのか、ママぁと呼びながら母親の後を追ってトコトコと走る。

俺は席に残された3つ子のうち最後の1人が気になった。

俺の位置からでは短くおさげにした髪と、小さな耳しかみえない。

眠っているのだろうか。

母親も姉妹も1人残らず席を立ったと言うのに、気にするぞぶりもなく静かに席に座っている。

名古屋で乗車した時には3人娘のクリクリとした6つの瞳と目があったので、3分足らずで眠ってしまうとは思えないのだが…

しばらくすると、母親と3つ子のうち2人が戻ってきて、また賑やかになった。

子供の声をうるさいと嫌がる人間は多いが、子供にとっては何もかもが初めての感動や刺激の連続であり、思わず大声をあげてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。

今大声をあげている子供は何に感動して何に刺激をうけているのだろうと好奇の気持ちで奇声をきいていると、なかなか面白いものだ。

列車がすれ違っただけでうわぁー!と大声をあげる大人は滅多に見かけない。

そんな事を考えているといつのまにかウトウトとしてしまった。

アナウンスがあと数分で品川に到着すると告げている。

プレミアムモルツは半分も減っていない。

次回から注意したいのは、先に味噌カツを食べてはいけないという事だ。

天むすの味を全く感じる事が出来なかった。

味噌カツが濃すぎるのか。

天むすが薄すぎるのか。

品川駅についてクソ暑いホームに降りる。

何気なく前をみると、斜め前に座っていた3つ子の姉妹とその母親の家族が歩いている。

母親は大きめのリュックを背負って、右手で3つ子のうち1人の手を握り、左手で3つ子のうち1人の手を握っている。

それだけだった。

辺りをどれだけ見渡しても3つ子のうち最後の1人は見当たらなかった。

ぎゃあぎゃあと楽しそうに3つ子のうち2人と母親は階段を降りていった。

 

 

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