明るい奴隷

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こんにちはウルカ。

 

鐘と鈴のちょうど中間のくらいの音が、機械的ではない等間隔で鳴っている。

作業の終了を告げているのだ。

僕は奴隷。

今日も奴隷仲間達と笑い合い、大きな岩を沢山運んだ。

足首には人間の頭蓋ほどの大きさの鉄球が鎖で繋がれており、走ることはできない。

牢獄のような鉄格子のある奴隷棟へと向かう。

監視役の男がヘッドホンでヒップ・ホップ・ミュージックを聴きながらフーセンガムをふくらませている。

僕はノリノリの監視役の男とハイタッチをかわすと、叩きつけるような放水で乱暴に身体を洗われるため、洗体場に入る。

仲間達とキャッキャッと騒ぎながら高圧で水を浴びせられる。

昼間にムチで打たれた僕の背中の傷をみて、奴隷仲間達がウケるウケると大笑いしたので、僕も嬉しくなって笑った。

放水で汗や血や泥や埃をさっぱりと吹きどばされると、次は食堂へ向かう。

先客の番犬達がガツガツと犬歯を鳴らせている。

犬達の器の中身をチェック・イット・アウトする。

今日のメニューはトマトソースのごちゃ混ぜ残飯か!

アガる〜!

僕は奴隷仲間、番犬達と並んで器に顔を突っ込む。

洗体後に両腕を後ろで縛られているから手を使って食べる事はない。

この方が野生的で食欲が湧いてくるし、料理の旨味がダイレクトに伝わってくる。

まだ試したことのない人は是非体験してみると良い。

ヨーロッパから来た奴隷仲間の話では、食の都フランスのパリ・ジェンヌ達の間でも、両腕を後ろで縛り、皿に顔を突っ込んで食べるスタイルが流行しているようだ。

ひとしきり食事を堪能すると、寝台広間へ移動する。

寝台広間には、機械的ではない等間隔で沢山の寝台が並べられている。

僕と奴隷仲間たちは機械的ではない等間隔で眠る。

大勢で時間と場所を共有しながら眠るというのは、心が踊るものだ。

皆でボロ毛布で拵えた枕を投げ合っては盛り上がる。

フランス・ベッドと雑にマジック・ペンで書かれた寝台に手錠で片腕をつながれているので、自由に枕を投げることができない。

これがまたゲーム性があって良いのだ。

ひとしきり枕投げでワアワアと盛り上がると、誰からともなく寝台に横になり、とりとめのない冗談を交わしながら眠りに落ちる。

僕は隣の寝台で眠る奴隷の寝顔を見ている。

眠りながらニタニタと笑っている。

きっと素っ頓狂に面白い夢を見ているのだろう。

明日の朝、どんな夢を見たのか聞いてみよう。

楽しみだな。

僕は寝台の上でギュウっと伸びをすると、大きく息を吐いて、ぐっすりと眠った。

 

 

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