自書像
こんにちはウルカ。
自書像を書いてみよう。
この時季の朝靄は湿気が重い。
歩行速度が速い。
小さなカメラを右手に持っている。
髪を出鱈目に刈り上げている。
3日前にぶっ壊れたアップル・ウォッチを廃品アクセサリーとしてリサイクルしている。
ピアスの穴が、カラの額縁のようだ。
腕についた引っ掻き傷が生々しい。
無地、単色の服を着ている。
九分丈のパンツ、短い靴下に革靴をあわせているところが若干イタイ。
異国人種のような顔立ち。
外見からは年齢も国籍も不詳。
雰囲気は穏やかで八方美人だが、好き嫌いが激しいということを人見知りというオブラートに包んでいるところがズルヨワイ。
刺青だらけ。
首の折れたフェンダーのギターを古い設計の新しいトヨタにつんでいる。
古いアメリカ製と古い日本製のオートバイに乗っている。
沢山の動物と暮らしている。
恋人を愛している。
中くらいの企業で中くらいの役職に就いている。
不満は多いがギャラも多いので相応かと怠けている。
中くらいの庭が欲しい。
テクノロジーに左右されないクリエイティブを生業とする事に憧れている。
ああ、これ、履歴書のコメントに丁度良いな。
ああ、もう履歴書を書くこともないだろうな。
今日のニュース
少年が崖の下に落としたサンダルを必死に拾ってくれたのは、1羽のアヒルだった
ウルカは鶏ささみを15切れ