らしさ感
こんにちはウルカ。
財布を部屋に忘れた。
どこかでジミヘンドリックスが鳴っている。
まあ、良いか。
最近は財布を忘れてきても特に困らなくなった。
スマートフォンだ。
便利になったね。
どうりで500円玉貯金がふえないわけだ。
これで免許証や保険証、パスポートなんかの身分証明もアプリで出来れば最高だね。
10年後には財布というものが存在していないかもしれない。
機械式腕時計はアクセサリーとして生き残りそうだ。
紙の本やフィルムのカメラも、アナログレコードのように、細々と存在していそうだ。
しかし紙幣の嗜好度は一部のコレクターを除いてはゼロに近いだろし、店側も出来れば紙幣を扱いたくないはずだ。
こりゃあ財布屋さん困っちゃうぜ。
よし、財布屋さんが困らないように、財布の次の商品となるものを考えよう。
ラーメンやこん棒などと財布と全く関係のない商品よりも、出来るだけ財布に関係のあるもの、近い存在が良いよな。
近未来、外出時スマホ以外に絶対といってよい程持ち歩くものって何だろう。
それの入れ物こそ、財布の次となる商品に相応しい。
なんだ。
なんだろう。
なんだろうよ。
なんなんだろうよ。
だめだ、思いつかない。
俺と財布屋さんは完全に窮地に追い込まれたぞ。
そいういえば、アメリカの知人が米国では男が長財布を持っていると、オカマ野郎、女みたいな奴だとバカにされると言っていたな。
そうか!オカマ感、いや、女性らしさ感、男らしさ感、これが財布の来世の姿だ。
この各々のらしさ感を演出する携帯物、男、女、ジェンダーレス、臆病もの、乱暴もの、セレブ、下着泥棒、ヒーロー、魔法使い、父親、母親、先輩、負け犬、お調子者、マッチョなど、らしさ感を入れるもの、そう、自分らしさ入れこそが財布の未来だ。
もはや中に何かを入れる必要すらない。
この自分らしさ入れ自体が自分らしさを示せば良いのだから。
となると自分らしさ入れではなく、自分らしさ示しだな。
多種多様な素材やデザインが用いられる事だろう。
なかには3メートルを超える大作も生まれるかもしれない。
これは未来が楽しみだ。
よかったな、財布屋さん!
いやいや、お礼なんか良いって。
なに、自分らしさ証明アプリだと…
ちょっと急用を思い出したので俺はこれで失礼するよ。
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