異常に尻を突き出した何かしらの手練れ

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おはようウルカ。

最近ミミズって見ないよな。

子供の頃、俺の環境には田畑があって、カエルやらカメやらザリガニ、時にはヘビまでも追いかけまわしていたよ。

庭の石をどかせば決まってミミズやダンゴムシがいて、前日に雨が降ったりすると自動車やバイクに轢かれたミミズやカエルがアスファルトにはりついていた。

最近は全然ミミズやダンゴムシを見かけないな。

見かけないんじゃなくて、目に入らなくなったのかもしれない。

人間って、興味のないものは視力があることが疑わしいくらいに見えなくなるからな。

写真を撮らない人が、普段から被写体やシャッターチャンスを意識しないように、今の俺はダンゴムシやミミズを意識していないのか。

 

電車に乗っている。

通勤ラッシュとは少し外れた時間なので、息苦しさがない程度に混み合っている。

乗客は皆同じ時間、同じ環境にいるが、人それぞれ興味のある事は違っていて、見えているものも全然違うのだろう。

俺はいま、吊革を両手で持ち、尻を異常に突き出した格好で微睡んでいる男が気になっている。

その尻の突き出し方は、相当な筋力が必要なはずだ。

常人では長くもたない姿勢と羞恥をキープした状態で、居眠りするをする余裕があるとは、只者ではない。

いや、居眠りなどではなく、精神を統一し、チャクラでも発動させているのかもしれない。

よく見ると、つま先立ちをしているじゃないか。

 

まだ観察を続けたかった俺は、後ろ髪を引かれる思いで電車を降りた。

 

その時々、何かしらに興味を持って生きていると有意義だよな。

俺にもいつか、なんにも興味がなくなって、美化した思い出に縋る日々がくるのかな。

薄汚れた立飲み屋で、あの頃は良かったのにと管を巻く。

なかなかフォトジェニックじゃないか。

 

でもやっぱり、俺は撮られるより撮る側が良いなぁ。

 

今日のウルカはデュビアを4匹。