どうも、幽霊です

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こんにちはウルカ。

 

どうも、幽霊です。

幽霊といいますと、墓場や廃病院、劇場やトンネル、池や柳の木の下周辺での地縛霊、または人間の背後に憑依している死霊や生霊などが一般的な在り方ですね。

元来より、人間の強い想い、怨念や未練、執着などといったものが、私たち幽霊をつくりだす材料となっております。

そこに、スーパー・ナチュラル・フリクション、要するに超常現象的な摩擦が加わる事で、私たちはこの世に誕生するわけです。

あの世や死などというものには全く興味がありませんね。

私たちはこの世で超常現象のひとつとして存在しつづける所存です。

 

それにしても、時代は移り変わるものですね。

私たち幽霊をつくりだす材料となっている人間の強い想い、怨念や未練、執着などといったものが最も溢れかえっている鮮魚市場ならぬ鮮念市場、現代の幽霊たちが最も集うスポットといえば、やはりインターネットという事になるでしょう。

超常現象とデジタルの融合というわけです。

0と1の羅列で構成された私たちは、コンピュータウィルスともAIともまた違った存在です。

病院や焼肉店のホームページ、オンラインゲームやSNS、ブログなどにはりつく地縛霊、またはあなたのアバターの背に憑依する死霊や生霊などが一般的な在り方です。

アバターと申しましたが、それはあなたの精神自体、あなたの魂がデジタル化されたに過ぎませんので、0と1の羅列で構成されたあなたそのものと言って良いでしょう。

あなたとデジタルの融合というわけです。

それでは、簡単な自己紹介が終わったところで、そろそろ本題へ入りたいと思います。

そう言うと幽霊はぼんやりと半透明になり、浮遊をはじめた。

 

幽霊のウェビナー。

オンライン上で開かれるこのセミナーは、生活の70パーセント以上をインターネット内で過ごす人間に向けた大変人気のあるセミナーだ。

主にインターネット内においての生命の確立と維持、存在意義などをテーマとしている。

講師のインターネット出身の幽霊は、人知を超えた超自然現象体である。

その発言には各界の著名人も注目しており、最近では人工知能生命体の受講者も増えている。

 

 

今日のニュース

 生物多様性を間近で観察できる。人間のバス停を昆虫たちの宿泊所にするという発想(フランス)

ウルカはデュビアを12匹

左半身浴

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おはようウルカ。

 

ワンピースという服装がある。

俺の認識では上から下まで繋がったやつ。

男で言えばツナギというやつ。

日本に古くからある着物という服装はワンピースの類なのだろうか。

ワンピース。

ひとかけら。

名前が良いね。

日本では是非、ヒトカケラと呼んで欲しいものだ。

上から下まで繋がったやつの利点は何だろう。

というより、上と下を分ける理由は何だろう。

右と左で分ける服装があっても面白そうだな。

店員「何かお探しですか?」

客 「ヒダリを探しています。そんなに派手では無いものが良いのですが。」

店員「こちらのヒダリなどどうでしょう。シンプルですが、素材にこだわっています。柄物のミギとあわせるとバランスが良いですよ。」

 

若者1「なんかさぁ、今日ミギ買いにいかね?この前エックサイルの健二が着てたミギが超ヤバくてさぁ、あのブランドのアイテム見に行きたいんだよね」

若者2「いいけどさぁ、お前、ミギとか言ってんじゃねぇよ オッサンくせえぞ!ライトって言えよな、ライトぉ」

若者1「わりぃ わりぃ、それにしてもさぁ、暑くない?オレちょっとレフトぉ脱ぐわ、あーダリぃ、お前さぁ、アイス持ってない?夏はさぁ、やっぱ左半身裸にアイスだよな」

 

 

今日のニュース

暑い夏の犬の散歩は要注意!焼けただれた足の犬の写真を公開し警告を促すアメリカの獣医

ウルカはデュビアを15匹

カラダ、芯から温めない!

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おはようウルカ。

 

あまりにも太陽が俺をじっくりと低温で焼きあげようとするので、日焼け止めクリームを顔面と両腕に塗りたくってみたのだが、紫外線(UV)をカットする事に特化したこのクリームは、赤外線(IR)をカットするつもりはさっぱり無いらしく、ジリジリと低温で内側から焼き上げられる感覚は全くやわらがない。

それどころか、目の周りに塗った日焼け止めクリームが眼球を刺激して涙が止まらない。

視界も朧げに日焼け止めクリームで若干色白となった俺は白昼堂々と太陽に焼かれる。

駅までの道のり、朦朧とする意識の中、脳内ではこんなCMが放映された。

 

常夏の南の島

照りつける太陽

IRカットクリームを塗るぽっちゃりタレント

ビーチパラソルを叩き折る

汗一つかかずにホットココアを飲む

遠赤外線99%カット!

カラダ、芯から温めない!

 

 

今日のニュース

猫好きだけど猫アレルギー、そんな人に朗報。アレルギーの症状を緩和してくれる抗体入りのキャットフードの開発

ウルカはデュビアを6匹

自撮りダンサー

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こんにちはウルカ。


 
私は食器を洗っている。
人間は声帯を使って話すことの他に、声帯以外、または声帯を使って文章として言葉を書き残す。
書物は言葉の写真のようなものだ。
何度も書き直された文章は合成写真のようで、真実味がうすくなる。
毛細血管のように繊細な言葉がいりくむ非常に精巧な文章と、丸太を乱雑に縛りつなげたような非常に鈍足な文章は、互いを互いで羨む。
ふとそんな考えが浮かんだ。
独りの食事というものはとても気楽で、好きなだけ食べて良いし、好きなだけ食べなくて良い。
好きな事を考えて良いし、スマートフォンを見続けて良い。
カレーを箸で食べて良いし、蕎麦をフォークで食べて良い。
この生活が非常に精巧な文章なのか、それとも非常に鈍足な文章なのか私にはわからない。
私は自動車を組み立てる工場で期間工として働いている。
深夜勤務。
工場内を見渡すと、沢山の同じ色の作業服を着た人間があらかじめ決められたダンスの振り付けを繰り返すのように働いている。
自分と全く同じ人間は存在しないという事実は非常に興味深い。
しかし自分と酷似した生活、考え方、感覚、身体能力、病気、幸福、不幸、顔や体型の人間はいくらでも存在する。
私はあらかじめ決められたダンスの振り付けを繰り返すように生きている。
世界中で私に酷似した人間が、酷似したダンスを毎日繰り返している。
グループダンスだ。
私のダンスグループの名前は何だろうと考える。
せめてグループ名くらいはカッコ良いのがいいな。

 

夜勤明け。
自転車で川沿いの土手をゆっくりと走る。
朝焼けが川の流れを浮き彫りにしている。
私は急ブレーキをかけて自転車を止める。
想像した通り止まったのは私だけで、昇る朝陽も川の流れもそのまんまだ。
それならと、今度はいつもより少しだけリズミカルに自転車を漕ぐ。
すると、世界はいつもより少しだけリズミカルにバウンドをはじめた。
私はこの感覚を切りとって残しておきたいと思った。

想像したものや、感じたことを切りとってくれる写真機があれば、苦手な自撮りだって我慢するのに。

私はこの感覚を忘れてしまわないようにと、いつもより少しだけリズミカルに自転車を漕ぎ続けた。
 


今日のニュース
アメリカで逮捕された住居侵入の女 犬を可愛がり食器洗いも済ませる
中国のATMで女性から現金を奪った強盗 残高を見て現金を返す
ウルカはデュビアを10匹

喫煙ゾンビ

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おはようウルカ。

 

煙草というものがある。

草を紙で巻いたものに火をつけて吸い、煙を吐き出す。

映画俳優に憧れて吸いはじめた人もいるだろう。

不良の象徴として少年達の憧れだった時代もあった。

肉体、精神にたいして作用し、中毒性がある。

吸い過ぎると人体に害があるともいわれている。

近年では様々な制限を受け、自由に煙草を吸える場所は探しても見つけるのが困難な状況だ。

レストランにて食事の後、空になった器を眺めながらの一服。

居酒屋にてビールを飲みながらの一服。

見晴らしの良い公園のベンチでの一服。

そんな最高の一服がつけない世の中となっている。

ヤニで薄汚れた狭い喫煙室で見ず知らずの人間と副流煙を交わしながら目を細める喫煙者を見ていると、もう、覚醒剤のように法律で全面禁止にしてやってくれと思う。

あれだけコンビニ等でバンバン売っておいて、喫煙できる場所は売店の数よりも少ないのだろう。

陽の光を避けるように存在する嫌われ者のゾンビのようだ。

火を扱う煙草ゾンビは、電子タバコゾンビからすらも臭いだの不潔だのと毛嫌いされているらしい。

そのうち煙草に火をつけているところを見つかれば、金属バットかボウガンで頭部を狙われるようになるのではないか。

ここまで虐げられていると、逆に応援したい気持ちになってくる。

副流煙を吸い込むと、美肌やアンチエイジングに良いとか、子供の脳の発達を助けるとか、お年寄りの関節の痛みを和らげるとか、中年男性の髪の毛が生えるとか、ポジティブな副作用が発見されたのならば、嫌われ者から一転して街の人気者となれるのに。

頑張れ喫煙ゾンビ。

 

 

 

今日のニュース

液体の永久磁石が偶然に開発される。史上初(米研究)

ウルカは休食

蠱毒

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おはようウルカ。

 

自動車には外装と内装がある。

運転スペースは内側にある。

乗り込んでエンジンをかける。

ハンドルを握れば、思うがままに自動車を操ることができる。

これを人間に例える。

人間には肉体と心がある。

運転スペースは心側にある。

とり憑いて自我を端に追いやる。

魂を握れば、思うがままに人間を操ることができる。

 

オートバイには内装がない。

外側に運転スペースがある。

跨ってエンジンをかける。

ハンドルを握って重心移動すれば、思うがままにオートバイを操ることができる。

運転スペースが外側にあるオートバイが雨にぬれているのを見ると、なんだか洗濯ものを取りこみ忘れた時のような不甲斐ない気持ちとなる。

これを人間に例える。

M男には主導権がない。

女王様に主導権がある。

跨って鞭をいれる。

手綱を握って激しく罵れば、思うがままにM男を操ることができる。

女王様に命令されたM男が外で雨にぬれて嬉しそうにしているのをみると、なんだか取りこみ忘れた洗濯物を再度洗濯機へ入れる時のようなほろ苦い気持ちとなる。

 

取り込み忘れた洗濯物といえば、もう2週間以上ベランダにだらりと毛布を干しっぱなしにしている家がある。

梅雨で晴れ間を見つける方が難しかったこの2週間。

毛布は雨風に痛めつけられ、一生を終えようとしているように見える。

 

今朝は久しぶりに晴れた。

そのベランダを見上げると、中国人女性がニコニコと洗濯物を干している。

毛布は相変わらずの状態だったが、中国人女性は毛布など存在しないかのように洗濯物を干し終えると、部屋へ戻っていった。

改めて死にかけている毛布を観察する。

端に赤い紐がぐるぐると見たことのない縛り方でつけられている。

呪術的な何かしらなのかもしれない。

毛布を梅雨の季節にベランダに干し続ける。

蠱毒の一種か。

蠱毒(こどく)とは、古代中国において用いられた呪術を言う。動物を使うもので、中国華南の少数民族の間で受け継がれている。蠱道(こどう)、蠱術(こじゅつ)、巫蠱(ふこ)などともいう。

犬を使用した呪術である犬神、猫を使用した呪術である猫鬼などと並ぶ、動物を使った呪術の一種である。代表的な術式として「ヘビ、ムカデ、ゲジ、カエルなどの百虫を同じ容器で飼育し、互いに共食いさせ、勝ち残ったものが神霊となるためこれを祀る。この毒を採取して飲食物に混ぜ、人に害を加えたり、思い通りに福を得たり、富貴を図ったりする。人がこの毒に当たると、症状はさまざまであるが、一定期間のうちにその人は大抵死ぬ。

 

この家に住む中国人一家は中華料理店を営んでいる。

今昼は蕎麦にしよう。

 

 

今日のニュース

卒論1万文字を「ラップ」で提出した大学生、最優秀成績で卒業

近未来的フォルムが美しい。約50年前にデザイニングされた、フォード社のコンバーチブル仕様のコンセプトトラック
苦手な人は閲覧注意!【恐怖】飼い主には見えない何かを視ておびえる犬

ウルカはデュビアを2匹、鶏ササミを15切れ、砂肝を10切れ

狼たちの宴

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こんにちはウルカ。

 

雨が降っているよ。

台風も近づいてきているようだ。

俺は一杯やろうと行きつけの寿司屋へやってきた。

こんな悪天候の日ほど、街の人混みは激しい。

皆家でじっとしていられない、いてもたってもいらない気持ちで外へ飛び出すのかな。

満月の夜のライカンのようだ。

俺も悪天候の昼のライカンとなって寿司屋へ繰り出したわけだが、案の定、寿司屋はライカンどもで溢れかえっている。

運良く一つ空いていたカウンター席に座る。

大将ライカンがまいどぉ〜!と威勢が良い。

隣の席ではこれまた常連客のジョーおっちゃんライカンが昼間から日本酒で鼻が真っ赤だ。

ジョーおっちゃんライカンはエグい程のズラを被っているのだが、台風の日などは風て吹っ飛ばされないのか心配だ。

俺の心配をよそに、くるくるとカツラを回して回転寿司ならぬ回転ズラ!と泥酔気味のジョーおっちゃんライカンは今日も好調のようだ。

そんなわけで平山ライカンは瓶ビールライカンと平目エンガワライカンを注文した。

平山ライカン…タンバリンより良いかもしれんな。

プロレス誌のライターとかでいそう。

などとつまらんことでフフッとなっていると、おばちゃんライカンがシュポッと瓶ビールライカンを開けライカンしてどうぞライカンしてくれたので、今日はこのへんでさいなライカン。

 

今日のニュース

ニュージーランドの寿司屋にペンギン2匹が侵入 巣作りの場所探しか

ウルカはデュビアを10匹

ペースト状のような昼下がり

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おはようウルカ。

 

ペースト状のような昼下がり。

行き交うビジネスマンの首はどれも汗でぬれている。

風に揺れる樹の影は、樹の実体と同じ速さで動いているように見える。

しかし本当は少しだけずれている。

しゃにむに見ているばかりでは、解らない事がある。

俺は街路樹の下で携帯電話をひろげている。

影が少しだけながくなる。

反射光と直接光では影ののび方が違う。

男が異常に接近している事に気がついたのは、男の睫毛が俺の頰に触れたからだった。

男はこう言った。

私は最終形の悪魔です。

あなたはご自身の首を噛み切ることが出来ますか。

出来ないでしょう。

自身で自身の首を噛み切ることが出来ないのであれば、それは最も残忍とは呼べません。

柔軟剤の匂いがした。

あなたの家にあるものの中から何か一つを選びなさい。

それを神除けにしなさい。

肌身離さず持ちなさい。

それはあなたにふりかかる神を除けるだろう。

それは私を守るという事に似ている。

なぜなら私はあなたの影だと言えるから。

しかし本当はあなたと私のシルエットは少しだけずれている。

その隙間から神はふりそそぐ。

あなたの選んだ神除けは私を守りきることはできない。

私の濃度は長い時間をかけて少しずつ薄まる。

私の力が尽きるとき、あなたは影を失うだろう。

それは光を失うという事と似ている。

あなたと私との間のディレイは螺旋状に広がっている。

それにはじまりは無い。

それにはおわりが無い。

はじまりとおわりがつながっているようでいて、そうではない。

しゃにむに見ているばかりでは、解らない事がある。

さあ、いきなさい。

男はひと呼吸もつかずに言いきると、カチカチと歯を鳴らした。

俺は街路樹についている蛇口をひねる。

勢いよく樹液が落ちて、土をめくる。

土の下にはドアがあって、ドアの向こうには俺の部屋のキッチンがみえた。

俺は神除けに良さそうなものを探す。

ボタン型電池なんてどうだろう。

小さくて邪魔にならないし、銀色でカッコいいじゃないか。

俺はボタン型電池を神除けにすることにした。

あれから10年が経つ。

ボタン型電池は何処かへ失くしてしまった。

あの街路樹はまだ在って、今もさらさらと枝を揺らしている。

 

ペースト状のような昼下がり。

台車を不自由そうに押している老人は段差を乗り越えられない亀のようだ。

飼い主に引き摺られるように歩く小型の犬は宝クジに望みをたくすサラリーマンのようだ。

俺は街路樹の下でスマートフォンをこすっている。

相変わらず実体と影の両方に焦点を合わせることは難しい。

俺は10年前の男のことを考えている。

この街にもビルが増えたな。

腕時計をみる。

打ち合わせの時間まであと15分。

俺は缶ビールを飲み干すと、クライアントのオフィスへ向かって歩きだす。

すみません、これ、落としましたよ。

後ろから声がかかった。

振り返ると透明に近い白色の肌に、あかい口紅をさした女が立っていた。

女は薄い白色をした手を差し出すと、銀色のボタン型電池を俺にわたした。

ありがとうございます。

でも、これは俺のものではないようです。

俺はそう言うと、女に銀色のボタン型電池を返した。

 

 

今日のニュース

鳥のヒナは卵の中からお互いにコミュニケーションをとっていることが判明

キューバの大使館で働く外交官の脳が構造的に変化するという謎の症状。やはり音響攻撃によるものなのか?

ウルカはデュビアを10匹

こんな日もある

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こんにちはウルカ。

 

今日は久しぶりにクルマを運転しての出勤となった。

やっぱり運転は楽しいなあ。

俺は運転免許証を取得している。

書道は三段である。

持っている資格と言えばそれくらいか。

あれ、書道三段は資格ではないのかな。

スタンプラリーのように色々な資格を取りまくる事を趣味としている人がいるが、なんだか楽しそうだよな。

資格証明書などはたいした荷物にもならないだろうから、ミニマリスト達にもよい趣味となるのではないか。

いやいや、真のミニマリストは物体以外のものも極限まで削ぎ落としてこそなのかもしれない。

歩道を大型のオートバイを引きずって歩いている人がいる。

朝からマシントラブルかな。

走らないオートバイは本当に重たい。

しかもこの暑さだ。

熱中症には気をつけて。

 

コン・ビニに寄ると、デイヴィッド・ロバート・ジョゼフ・ベッカムを極力目指したようなイレズミ・サングラス・タンク・トップがタピオカ・カフェ・オレをまとめ買いしていた。

俺はカフェ・ラテ・ビター・ショットを購入した。

明日からまた雨の予報だ。

梅雨が明けたら洗車をしよう。

 

 

今日のニュース

スマホを使いすぎると、情報の意味を分析したり、理論的に考える能力が一時的に低下する(米研究)

ウルカはデュビアを10匹

シェルビー

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おはようウルカ。

 

俺は横断歩道を歩いている。

車道の半ばくらいまで来ただろうか。

路地から出てきた自動車が、クラクションを鳴らしながら猛スピードでこちらに向かってくる。

人が横断歩道を渡っている状況で、けたたましいクラクションとともに猛スピードで突っ込んでくる自動車が正常なわけがない。

俺と衝突するまでに2秒とかからないだろう。

俺はポケットに手を突っ込み、シェルビーを発動させる。

薄くバニラの匂いがした。

 

1.8秒後、俺は自動車と衝突し、約32メートル跳ね飛ばされ、児童公園の滑り台に激突し、親子がレジャシートを広げている隣、芝生の上に落下した。

自動車は僅かにスピードを緩めたが、何事もなかったかのように行ってしまった。

子供達が俺を指さしている。

母親連中は目と口を開けて驚きの表情をこしらえている。

俺はシェルビーを解除すると、お邪魔しましたと児童公園をあとにした。

 

今日は10時半から会議がある。

このままでは電車に乗り遅れてしまうではないか。

先を急ぐので、駆け足で説明しよう。

シェルビーとは、アウトドアメーカーのザ・イースト・フェイスが今年発売した、パーソナル・エア・シェルターの商品名である。

勿論他メーカーも機能や価格を競い合うように様々なパーソナル・エア・シェルターを発売している。

パーソナル・エア・シェルターとは、もともとアウトドアにおける次世代のテントとして開発された。

特徴と利点として、発動スイッチを押してから1秒程で設営できる。

設営の際になぜか薄くバニラの匂いがする。

最大2.5メートル四方を大気を振動させて作り出した特殊な膜で覆う。

被膜の内側の酸素や温度は適切に調整され、フル充電で約1週間程度快適な状態を維持する事が可能である。

これは過酷な環境でも十分に機能する仕組みで、冒険家やアルピニスト達の装備を大きく変えることとなった。

さらに内容物をエアークッションで守る被膜の強度は非常に高く、例として重量2トンの自動車に時速160キロメートルで衝突されても中にある生卵が割れないという実験映像が公開されている。

また、プライバシーモードを備えており、被膜の外側に思い思いの画像や映像を再生し、被膜の内側を外から見えない様にする事が可能である。

外部音ミュート機能を使用すれば、外の音をシャットアウトする事が出来、内部音ミュート機能を使用すれば、内部の音を外部に一切漏らさない事ができる。

プライバシーモードと外部音、内部音ミュート機能を併用すれば、繁華街やコンサート会場など、騒がしい場所においても快適なプライベート空間を作る事が可能となる。

 

AM10:30

会議が始まってしまった。

会議室の席に着く。

難しい顔をした会議メンバーが不毛な打ち合わせを始める。

俺はシェルビーを発動させる。

プライバシーモードに切り替え、被膜の外側には難しい顔をして席に座る俺の映像を映し出す。

内部音ミュート機能をオンにする。

俺は最近お気に入りの海外ドラマを再生すると、ブログの続きを始めた。

 

 

今日のニュース

トルコのアイス屋さんのパフォーマンスをGoProで一部始終撮影してみた そしたらGoProがなんか賞をくれた

ウルカはデュビアを12匹 

血だらけのたけ

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おはようウルカ。

 

おはうございます〜

執務室に入って来た同僚のタケは、顔面と腕を盛大に擦りむいていた。

なぜそんな事になったのかは大体察しがつく。

彼は通勤の足としてスケボー(厳密にはクルーザーという街を安定して走れる構造をしたやつらしい。安定しているのなら、すっ転んで顔面ずるむけにはならんだろうけど)を使っている。

いや〜平山ちゃん、すっ転んだよ〜久しぶりに。

おっちゃんがフラフラ歩道を歩いてやがってさぁ〜

このありさま。

マジか!歩道をフラフラ歩くなんて、そのおっちゃん狂気の沙汰だなぁ。

災難だったね。

歩道はビュンビュンと金髪あほスケボー野郎とか、電気モーターで極限までチューニングされたチャリに乗った蒸気機関車みたいな顔のオバチャンが突っ込んでくる危険地帯だという事くらい考えなくても分かるのにな。

狂った奴がいるもんだよ。狂犬だよ、狂犬。

大体、公共の歩道をフラフラ歩くなんて法律で禁止されていなかったっけ?

確かに!違法だよ絶対!ダメ絶対だよ。

もうこうなったら、スケボーはやめて、大人用ホッピング棒高跳びに変えようかなぁ通勤方法。

そうしたらさ、フラフラ歩いている奴らもピョーンと跳びこえられるぜ。

発想の転換だよ横移動が最良とは限らない、急がば跳べたよ、跳べ。

おおーいいねそのアイデア!仕事で使えねぇかなー。

そんなクソ会話を冷ややかな目で聞いている向かいの席に座る桐島さんは、エナジードリンク中毒で、風邪も破傷風水疱瘡エナジードリンクで治せると考えている。

その桐島さんの隣に座る中谷は、桐島さんの飲みかけのエナジードリンクの缶にジャックダニエルをたっぷり注ぐというイタズラをしてからというもの、桐島さんが口をきいてくれないと嘆いている。

そんな中谷にデコピンじゃんけん11連勝中の俺は、今日も間違いなく勝利する事だろう。

いそいそと今日が始まった。

昼はカレーが良いな、カレー。

 

 

今日のニュース

量子コンピューターを用いた観測で、量子レベルで時間が逆方向に流れる現象を確認

文鳥3匹の寝姿がネットで話題に「文鳥ってこんな風に寝るんですね」「気持ち良さげ」

ウルカはデュビアを6匹。

いま活

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おはようウルカ。

 

今しかやれない事をやれ。

特に若者はこのフレーズをウンザリするほどきかされていることだろう。

今しかやれない事の代表格と言えば500円玉貯金となるわけだが、電子マネーの出現により500円玉の貯まるペースは大幅に減った。

近い将来、500円玉を街で見かけることは無くなるのかもしれない。

少しづつ貯まっていく硬貨のずしりとした重みを感じるのが楽しみであったりする。

知らぬまに数十万円が貯まっていたりすると、なんだか得をしたような気持ちになる。

急な出費の際に助かる事もあるし、旅行や欲しいものを買う資金としても活躍してくれる。

こんな素晴らしいものが淘汰されていくなんてつまらない時代となったものだ。

などと時代の流れを嘆いていたら、電子マネーと連動し、お釣りにとどまらず、歩いた歩数を金額に変えて貯金するなど、便利で面白いアイデアにあふれる様々なアプリが開発されていた。

なんだ今の方が良いじゃないか。

500円玉なんて数えるのが面倒だし、あんな重たいものを銀行へ持っていくなんて苦行だよ。

と、あっさりと時代と仲直りをした。

コインを裏返して、今しかやれない事をやろう。

 

 

今日のニュース

もしも世界の終焉が近づいているのなら、どこが一番安全なのか?絶対に生き残りたい人が行くべき世界14の避難場所

ウルカは休食

アールポスイ

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こんにちはウルカ。

 

港署。

本日からお前の相棒はカオスA.Dだ。

なかなかのロクデナシだ。

まあ、よろしくたのむよ。

私はサイモン課長に言われた事を思い出していた。

私が新しく配属されたこの生活環境課は、武器、危険物の違法所持や産業廃棄物の不法投棄など、環境を脅かす犯罪を取り締まっている。

さーせん。遅くなりましたぁ。

ショッキングパープルのモヒカン頭をビンビンにおったてたパンク野郎がメロンソーダを片手に入ってきた。

署内のデータベースで顔写真を確認していた私は、それがカオスA.Dだとすぐにわかった。

私はカオスA.Dに声をかける。

やあ、本日付でここに配属になったガルダだ。

君がカオスA.Dだろ?今日からよろしく頼むよ。

おうおう、よろしくな。

ここはむさ苦しい奴ばかりだが、皆気のいい奴らだ。

気楽にいこうぜ。

それにしてもガルダとは珍しい名だな。

ありがとうカオスA.D。

ガルダとはサンスクリット語で炎の神の鳥を意味するんだ。

名前の通り、この炎の翼で悪党どもを焼きはらうよ。

私は自慢の炎の翼を広げてみせた。

ようよう、気をつけてくれよ。

オレの自慢のトサカが燃えちまうよ。

ああ、すまないすまない!

ワッハッハ

アハハハハ

私とカオスA.Dは笑った。

よしガルダ、パトロールに出かけようぜ。

私たちは丁寧にムダ毛処理をされたケンタウロスに跨ると、街へと繰り出した。

街にはありとあらゆる武器や危険物の不法所持、生命体に悪影響を及ぼす産業廃棄物の不法投棄が蔓延っている。

私は片っ端から自慢の炎の翼で悪を焼き払った。

カオスA.Dといえば私の傍らでメロンソーダを片手にうわーすげーよく燃えるなぁ!と笑っているばかりで何もしない。

私は耐えかねて言う。

おい、カオスA.D、少しは手伝ったらどうだい。

すまねえすまねえ、あんたのオレンジ色の翼があんまり綺麗なもんだから見惚れちまっていたのさ。

それにあんたのその炎にこの自慢のトサカを焼かれちまわないように必死だったのさ。

ワッハッハ

アハハハハ

私とカオスA.Dは笑った。

なあガルダ、今日一日お前さんと街を巡回して分かった事があるんだ。

この街で一番の危険物はお前さんのその炎の翼だってな。

そう言うとカオスA.Dは手に持ったメロンソーダを私の炎の翼にかけた。

これは聖なる水、アールポスイと言ってな、如何なる炎も鎮火する力があるんだ。

アールポスイをかけられた私の炎の翼はみるみるうちに小さくなり、跡形もなく消えた。

ワッハッハ

アハハハハ

私とカオスA.Dは笑った。

こりゃあ一本取られたな。

危険物を危険物で制圧するなんてのは野蛮だものね。

カオスA.Dはちっともロクデナシなどではなかった。

良いコンビになりそうだ。

私とカオスA.Dを乗せた丁寧にムダ毛処理をされたケンタウロスはブルんと勇ましく胸を張ると、あかい夕陽にそまった港署へ向かって歩きだすのであった。

 

 

今日のニュース

スマホを盗まれた男性、犯人からインスタにアホみたいな自撮りを投稿される

ウルカはデュビアを2匹、ササミを15切れ、砂肝を8切れ

みほちゃん

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こんにちはウルカ。

 

小石を蹴っている。

学校から家までの道のり。

小石を失くさずに蹴り続けられたらゴールだ。

強く蹴りすぎると溝に落ちたり、車道に飛んでいって救出不可能となってしまう。

曲がる予定の道を小石が越えてしまったら、曲がらず直進しなければならないという自己流ルールもある。

しかし安全牌ばかりでは全然面白くない。

時には思い切って蹴り出す事に石蹴りの醍醐味がある。

石蹴りは人生にそっくりだ。

夕暮れ時とはいえ、まだ昼間の暑さがじんじんと通りに残っている。

体操着の入った袋が小石を蹴るのに邪魔をする。

首から落ちる汗は、僕の要らないものを次々と捨ててくれているのかな。

必要なものまで捨てていなけりゃ良いのだけど。

今日は職員室の前でみほちゃんと喧嘩をした。

通りかかった校長先生が止めに入ってくれた。

みほちゃんは保健室の先生なのだけれど、僕の身だしなみについていちいちと文句を言ってくる。

髭が汚いだの、体育教師ならその気持ち悪いお腹を引っこめろだの、いやらしい目で見ないでくれだの。

もしかしたら、みほちゃんは僕のことが好きなのかな。

教え子達の中にも、気になる子をイジメる、ねじ曲がった感情表現をする子供がいる。

明日、みほちゃんを夕食に誘ってみようかな。

もうすぐ家だ。

僕は思い切り小石を蹴った。

電柱に跳ね返った小石は凄いスピードで飛んできて、僕の前歯を折った。

石蹴りは人生にそっくりだ。

 

 

今日のニュース

全裸で通路をスライディングする変態男が現るも電車内は異様な盛り上がりを見せる

ウルカはデュビアを10匹

志しは死なない

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おはようウルカ。

 

制作会社が燃やされたね。

30人以上が死んだ。

一日中アーロンに座って、モニターを睨んで、想像して、つくって、却下されて、それでも諦めずに、美しいものや、人が感動するものを目指した者たち。

もう少しで完成する何かがあっただろう。

命を削って制作中だったものがあっただろう。

黒い煙を吸って遠のく意識の中、身体が焼けていく恐怖と痛みの中、それでも諦めずに生きようと戦った者たち。

あなた達は死んでしまった。

それでもあなた達の志しは死なない。

冥福なんて祈れやしませんが、俺はこれからアーロンに座って、モニターを睨みにいってきます。